ホーネットです。
先日、老後資金として2,000万円が必要と話題になている金融庁の報告書を読みましたが、今回はこの2,000万円という金額をどう貯めて、どう切り崩すのかについて考えてみたいと思います。
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30年で年間60万円ずつ切り崩すのに必要な額は?
まず最初に断っておきたいのは、老後の不足資金は月5万円だということ。トータルすると約2,000万円とのことですが、誰も60歳までに2,000万円を貯めろなんて言っていないのです。金融庁は投資による資産運用を勧めているわけですから、運用しながら計2,000万円を取り崩せればよいのです。
では、どうやったらその金額を計算できるのでしょうか?ファイナンシャルプランナーの勉強をしたことがある方はご存知でしょうが、将来の一定期間にわたって一定額を受け取るために必要な元本を計算するための係数というものが存在します。これを年金現価係数と呼びます。
この係数と必要な元本出すのに必要な情報は、1)受け取りたい年額,2)資産運用の年利,3)受取期間の3つになります。今回は1)60万円,2)3%,3)30年とします。
「年金現価係数」と調べれば、ネット上で計算してくれるサイトがあるため、計算の詳細は割愛しますが、上記条件下で必要な元本は1,176万円という結果になりました。運用しながらであれば、6割程度の資金で問題ないということです。
1,176万円をどうやって貯めるか
では今度は60歳になるまでにどうやって1,176万円を貯めるか考えていきましょう。これについても減債基金係数を使って求めることができます。一定期間に一定金額を用意するための毎年の積み立て額を計算するための係数です。こちらは1)目標額,2)年利,3)積み立て期間の情報から算出が可能です。モデルケースとして40歳から60歳までの20年間で考えてみましょう。先ほどの情報は1)1,176万円,2)3%,3)20年とします。
結果ですが、毎年積み立て額は43.8万円という結果となりました。月々4万円弱ですね。ちなみに積み立て期間を30年にすると月々2万円程度です。なんとかなりそうな数字ですよね。
まとめ
資産を運用することを考えると、2,000万円という数字のハードルはかなり下がります。ニュースを見て、貯金で2,000万円と決めつけている人が多いのをみて、金融リテラシーって大事だなと改めて感じました。ちなみに今回の積み立て試算で出た結果(20年間、年約40万円)ですが、何かを連想しませんか?そう、つみたてNISAです。政府はあらかじめこれを見越して制度を作ったのかな?とても偶然とは思えません。やはり国策というのは、きちんと考えられていますね。
なお今回は年3%のリターンで試算しましたが、相場には波があるため,必ずしもこのリターンを保証するものではありません。配当重視であれば十分な数字かとは思いますが、もっとディフェンシブに考えたい方は、年利を下げて試算してみてもよいかもしれません。
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